それはあまりにも一瞬の出来事。予期せぬ邂逅。
飛び降りた一瞬後、私を掬い上げる様に包む光に、刹那、驚愕と嬉しさ申し訳なさが胸の中を埋め尽くしました。
ああ、どうして。どうして貴方方はこんなにも優しいのですか?
淋しさに負け、助けられたこの命を自分から投げ出した弱い私なのに。
知らない筈などない。
与えると言うのですか
この手を、このぬくもりを、この声を―――――!
今一度ふたたび
「ばか」と言われました。
投げ出すなと
「何をしているの?!」と怒られました。
間違うなと
「いきなさい」
その望みを
そう、微笑まれました。
叶えるために。
ああ、どうして。
見たい姿がすぐそこにあるというのに、私の瞳は滲むばかりで少しもその機能を果たしてくれません。
落ちていきます。あたたかな願いへと。
手を握る小さな手、頬に触れる優しい手、額に触れた願いと別れのあたたかな唇。
ひとつひとつ、たくさんの愛情を携えて、
綿毛が触れるほどの柔らかさで、だけど力強く、私はゆっくりとそこへ手押されました。
弱い私を救う世界へ。
終わりは唐突に。始まりは永遠へ。
−−−
柔らかなオレンジの光が斜に注し部屋を淡く照らす。まるで夢の中のようだな、とぼぅっとする頭で考えた
「だい、じょう、ぶ?」
なんとか押し上げた重たい目蓋をその場に止め、やっと視認したそこは見知らぬ部屋。
そして、光を背にどこかで見たことあるような少年が一人。
(あれ・・・?)
「うぅ、とあの・・」
「・・・(じ・・)」
「う。あの、だいじょう ぶ?」
こくり。肯けば、彼はほっと力を抜き、けれど次の瞬間またあわあわと慌てふためき始めた。
その様子を見てピンときた。
ふわふわの髪、下がった眉、オドオド病。
ああ、キミは、
「れん、君。三橋 廉君、だ」
救いの先、降り立った世界は、かの有名な『おおふり』の世界でした。
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